質問への回答(心理学概論A)

・基本的にすべての質問に回答しますが,あまりにも当たり前の質問には答えません。
・回答が掲載されていないなど,直接尋ねたい場合は加藤までメールで連絡をください。
課題を送信した際,「回答を記録しました」と表示されれば提出されています。
(この件での問い合わせは控えていただけると助かります)

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心理学概論Aの進め方/試験に関して
第1回:オリエンテーション/心理学とは?
第2回:目は心の一部である:知覚心理学
第3回:心は見えないが行動は見える:学習心理学
第4回:ヒトの心の特徴:進化心理学
第5回:心は脳のどこにあるのか:神経心理学
第6回:それぞれの人にそれぞれの心:個人差心理学
第7回:心は機械で置き換えられるのか:認知心理学
第8回:ヒトは白紙で生まれてくるのか:発達心理学
第9回:勉強は本当に必要なのか:教育心理学
第10回:感情はどのような役割を果たすか:感情心理学
第11回:いい人?悪い人?:社会心理学
第12回:なんだかイヤな気持ち:ストレスと心の病気
第13回:発達の偏りと多様性:発達障害
第14回:心の問題へのアプローチ:アセスメントと支援


心理学概論Aの進め方/試験に関して

Q. パワーポイントと音声での授業の配信があるととても授業の理解度が上がると思うので、出来るのであれば是非配信を検討していただきたいです。
A. オンライン課題について,パワーポイントの授業資料はアップロードしています(授業回によってはもともと使用しないものもあります)。音声(や映像)については,通信量負担を考慮する必要があるので対応していません(大学の方針です)。授業内容について不明な点などはメールやコメント・質問で問い合わせていただければと思います。

Q. ノートに内容をまとめておいたほうがよいのでしょうか?
A. 自由です。試験は教科書・レジュメ・ノート等の持込可ですので,試験に向けてまとめる方もいますが,授業として必須ではありません。

Q. テストの出題内容はどのような感じなのでしょうか?
A. 全ての授業回から出題され,論述形式で回答します。詳しくは授業内で説明します。

Q. 授業で考えたこと・感想の文が、長すぎる・内容にそぐわないことで支障はありますか?
A. 特に問題ありません。短いより長いほうが読む方としては嬉しいですし,内容に必ずしも合致していなくても,授業を通じて「考えたこと」であれば大歓迎です。むしろ,「~について学びました」,「まとめると~」など,中身のない報告の方が不要です。

Q. Google Formsについて、字数制限か行数制限なのか、下の行では強制的に上にスクロールされて打ちにくく、該当部分が消えてないか心配です。
A. 文字数の上限は設けていません。スマホだと操作しにくい場合はPCからアクセスすることをおすすめします。

Q. 「感想/考えたこと」として書くことは本当に自分の意見なのか、という点で悩んでいます。無垢な自分から出できた真に自分の意見を持つことが、果たしてできるのでしょうか。
A. そもそも「真にオリジナルな意見」が存在するかはわかりませんが,この「感想/考えたこと」で求めていることは「オンリーワンの意見」というわけではありません。あくまでも授業を通じて「自分で」考えたことや感想であって,それが誰かの影響を受けていることもあれば誰かと重なることもあるでしょう。あまり気にかけずに「これってこういうことなんだなぁ」,「私はこう思うけどな」など思いついたことを書いていただければよいです。


第1回:オリエンテーション/心理学とは?

Q. カントが出てきましたが、心理学と倫理学に共通する点は他にありますか?
A. 心理学は哲学から出発している側面もありますのでかなり多くの点で共通しています。一方,こころが「どうあるか」(現象の記述)と,人は「どうするべきか」(倫理的指針)は分けて考える必要があり,心理学は前者を扱っています。

Q. 心理学は社会科学と自然科学のどれにも属するのですか?
A. 「心理学」といってもその範囲はとても広いので,「何を研究対象としているか」や「どのようなアプローチを取っているか」などで,社会科学にも自然科学にも人文科学にもなりえます。重要なのは「〇〇心理学」の「〇〇」の部分ですね。とりあえず「科学」という点では共通です。

Q. 間隔尺度と比率尺度の違いがよくわかりません?
A. 間隔尺度は「各数値の間隔が等しい尺度」です。例えば温度は1℃と2℃の間,5℃と6℃の間隔は等しく,間隔尺度といえます。一方,比率尺度は「原点(ゼロなど)が存在し,各数値の間隔は等しい尺度」です。例えば長さは絶対的な原点がゼロとして存在します(温度の場合は摂氏と華氏でゼロが異なるなど,任意に決められています)。また,2cmの2倍は4cmと比率の計算ができます(温度の場合はできない)。

Q. (教科書の)錯視の「15%」とは何ですか?
A. 錯視「量」のことです。錯視に限らず心理的な変数を測定する際は,「どの程度それが生じたか」が問題になります。この場合は,「15%主線が長く見える」ということになります。

Q. 心理量とは具体的にどのようなものを指すのですか?
A. 具体的な物理現象を示す物理量に対して,心理量(精神物理量)と呼びます。つまり,長さや重さなどでは表せない「何か」(≒こころ)を「何とかして」(様々な測定方法で)測定したものが心理量です。錯視のように「実際とは異なって見える程度」も心理量のひとつですね。

Q. 操作的定義についてもっと詳しく言葉の意味を教えてほしいです。
A. こころのように目に見えず「直接的に測定できないもの」がある場合,「~で~となった場合に~と定義する」というように何らかの方法で間接的に測定したもので定義しようとすることです。例えば,「頭のよさ」は直接定義できませんが,「ある知能検査でIQ(知能指数)が130以上の人を頭がよいと定義する」と決めてしまえば,知能検査によって「頭がよさ」を測定することができます。このように目に見えない・直接測定できないものを「~によって測定・定義する」ことを操作的定義といいます。ただし,この「定義」が妥当かどうか自体も検証する必要があります。そのために先行研究(過去の研究)を調べたり,妥当性・信頼性の観点からの測定をします。


第2回:目は心の一部である:知覚心理学

Q. ゲシュタルト崩壊も知覚によるものですか?
A. 知覚・認知による「全体性の喪失」の問題です。未解明な部分も多いです。

Q. 3D絵本は、飛び出す映像とはまた違うつくりですか?
A. 3Dのものの仕組みは基本的に「両眼視差」を利用しています。その点では共通ですが,使う道具には様々な工夫があるようです。

Q. 「画像の違い」の大小によってどのように距離が判別されるのですか?
A. ピントを合わせる状況を考えてみましょう。目のすぐ前に指を出してみるとわかりやすいと思います。目の前の指は1本のはずなのに2本に見えます(ピントが合えば1本になります)。この「ずれの大きさ」は「距離が近い」ということを表しています。また,指を遠ざけてみましょう。先ほどよりもずれは小さくなるはずです。すなわち,画像のずれの大小はそれぞれ距離の近い・遠いを表すことになります。


第3回:心は見えないが行動は見える:学習心理学

Q.
A.


第4回:ヒトの心の特徴:進化心理学

Q. 考えすぎるからゲシュタルト崩壊起きたり、鬱になるんですか?
A. ゲシュタルト崩壊とうつはまったく別の現象です。また,考えすぎることでうつにつながる場合もあるかもしれませんが,生起要因は様々です。

Q. イヌネコのように気持ちによって体の各部位を動かすのも、ヒトの悲しいから、感動したから「泣く」という動作と同じなんでしょうか。また、人間の心理と動物の心理というのは同じ心理学の分野でまとめられるのか、全く別の分野に分類されるのでしょうか?
A. まず,ヒト以外の動物はヒトと同じ心理機能をもっているわけではありません。そして,ヒトと動物の異同を扱うのは「比較心理学」です。動物の行動に関しては「行動生態学」や「進化生物学」などもあります。興味があれば調べてみてください。

Q. 個々人の生きる価値や生活している理由は様々あると思いますが、そうではなく、種の保存としてほぼ磐石の状態にある人間という生物はこれからどのような発達や生き方をしていくと先生は思いますか?また、種としてほぼ磐石な人間という動物が、何故辛い事も多く考え方によっては意味がないように思える人間社会を生きなければならないのか、それも本能によるものなのかについてご意見を聞きたいです。
A. まず前提として,「種としての完成」という状態はありえません。ヒトを含め生物は環境に適応していくものなので,現在の形はあくまで「今のところ」にすぎないのです(しかも進化的適応環境といって,現代への適応ではなく何万年も前の環境への適応です)。したがって,これからの環境の変化にあわせて適応・変化していくことは十分にありえるでしょう。「どのような形になるか」については専門外なので予測できませんが,興味深いものではありますね。
次に,「人間社会の生き方」についてです。進化環境を経て社会が形成される話はここでは省きますが,社会が形成されることで生存確率が上昇したり(伝統的な狩猟採集社会よりも現代的な民主社会の方が殺人率・暴力の件数も圧倒的に少ないです),その他数々のメリットが人にありました。一方で,社会生活について個人レベルで見ると生きづらい人もいれば意味を見出だせない人がいるのも確かです。そもそも,人は「進化的なこと」を意識して生活しているわけではありませんから。
結局のところ,「人間社会を生きることの意味」について進化は無関係です。生存自体が本能だとしても「生きることの意味」は自分で見つけていくしかありません。個人的な考えでは生きる意味自体は「特別なものは何もない」と思いますが,それを自分で見つけ出せた人は幸せなのかなとも思います。

Q. Howについて問うことはWhyを問う進化心理学のように特別な言葉があるのか気になります。
A. まず,進化心理学では「なぜ(why)」を扱うことが多いですが,イコールではありません。そして,「なぜ」に関わる要因を「究極因」,「どのように(why)」に関わる要因を「至近因」とよんで区別します。


第5回:心は脳のどこにあるのか:神経心理学

Q. シナプスなどを化学物質で抑制した場合、脳に影響を与えてしまいますか?
A. もちろん脳神経に機能する化学物質はありますので何らかの「影響」はあります。向精神薬・抗精神病薬・危険ドラッグなどその影響を狙って使用されています。問題は「どこを標的に」,「どのような物質」を使用し,「どのような影響」を求めるかということです。

Q. 認知症は、脳損傷を受けてないのにどうして記憶力の機能が低くなるんですか?
A. 先天的な脳機能の問題や加齢による機能低下など様々な要因が考えられます。脳機能の低下や障害は必ずしも外傷によるものだけではありません。


第6回:それぞれの人にそれぞれの心:個人差心理学

Q. 星占いや干支占いもあたっている様に見えるだけですか?
A. その通りです。その他似たような占いは「バーナム効果」,「自己成就予言」,「自己確証バイアス」で説明できます。ちなみに,占いを遊びとして使用する分には問題ありませんが,血液型性格判断については特定の血液型をもつ個人への差別につながる可能性が指摘されています。

Q. 星占いや干支占いの他に、生年月日や名前の占いも自己成就予言等で説明できるのでしょうか?
A. 生年月日占いや姓名判断等の一般的な「占い」はすべて紹介した効果で説明できます。

Q. スマートフォンのアプリなどで、心理テストのアプリをよく見かけます。心理検査と心理テストが違うことは分かっていますが、心理テストのアプリでも、信頼性と妥当性の2つの要件を満たしていれば心理検査として認められますか。
A. まず一般に出回ることはないのでアプリかどうかはさておき,信頼性・妥当性にもさらに細かい分類があり,標準化の手続きを経て概ね研究者間の合意が得られれば心理検査としてリリースされます。基本的に病院やクリニック・教育機関等で使用される心理検査がネットやスマホアプリで公式に受けられることはありません。

Q. 投影法のさまざまな意味を持つ曖昧な絵とはどのようなものですか?
A. ロールシャッハテストは「インクのシミ」が何に見えるかで測定します。このように「特定の意味は持たないが様々な形で解釈可能なもの」が投影法で用いられます。

Q. なぜ熟成とともに調和性、誠実性が高まるのですか?
A. 社会化の影響もあれば,扁桃体など脳神経の萎縮・機能低下の影響も考えられます(一般にいう「年を取ると丸くなる」など)。

Q. 作業検査法とは課題に対する姿勢、態度を見るものですか?
A. 姿勢・態度も見ますが,メインは課題のパフォーマンス(速度・正確性・効率)などです。

Q. 基準関連妥当性と併存的妥当性は同じですか?
A. 正確には基準関連妥当性の中に併存的妥当性と予測的妥当性が存在します。つまり,基準関連妥当性はカテゴリーの名前ということです。併存的妥当性は同時に他のテストを測定し検証するのに対し,予測的妥当性は同時ではなく事後的に他の指標との関連を検証します。


第7回:心は機械で置き換えられるのか:認知心理学

Q. 動物にも記憶の処理はありますか?
A. 私たちが思い浮かべる「動物」で記憶に関する脳神経をもつものであれば基本的に記憶の認知処理はされます。しかし,記憶にも様々な種類があり,特に「エピソード記憶」(思い出のような記憶)はヒトに固有であるという研究もあります。


第08回:ヒトは白紙で生まれてくるのか:発達心理学

Q. 私の母は「アイドルはみんな同じ顔に見える」と言うのですが、なぜ同じ人でも人の顔を認識できないのでしょうか?
A. アイドルに限らず,コミットメントの低い対象(=関わる機会が少ない・興味が持てないなど)に対しては,あまり見分けはつかないようです。実際,友人の顔の見分けはついても外国に行くと人の顔の見分けがつかないなどあるかと思います。
また,アイドルに関しては「平均顔」(いわゆる整った顔)が好まれる傾向にありパターン化しているので,本当に関心がある人以外に見分けるのは難しいかもしれません。


第09回:勉強は本当に必要なのか:教育心理学

Q. 必要性や重要性を理解してやることは義務感とは違うのですか?
A. 異なる概念です。義務感は「やらなければならないと感じている」ことで,「自分にとって必要・重要だと思う」こととは異なります。実感としては,「必要だからやらなければならない」と同時にこれらの感覚を抱く場合もあるかもしれませんが,動機づけの観点からは「自分から取り組むかどうか」の区別が重要であり,この点で義務感は受動的で,必要性・重要性を感じることは能動的と考えられます。

Q. 何かに取り組む時、集中力がなくすぐに飽きてしまいがちなのですが、やる気を上手く出せるようになれば、集中力も高まってくるのでしょうか?それとも、やる気を出す方法と集中力は別物でしょうか?
A. 連動している部分はあります。集中力については認知資源と呼ぶ精神的なエネルギーのようなものが鍵になります。肉体的・精神的に疲労しているときに集中はなかなかできません。やる気を出したり集中するためにはコンディションを整えることも大切です。


第10回:感情はどのような役割を果たすか:感情心理学

Q. 感情が顔に出やすい人とそうではない人がいますが、その違いは何なのでしょうか?
A. 表情・言語における感情表現が豊かな人,つまり個人差要因ということかと思います。オーバーなリアクションを取る傾向のある人は表情のみならず言語表現も豊かかもしれません。また,パーソナリティ的にはビッグファイブの「(経験への)開放性」が豊かな感情表現と関連しています。

Q. 最近よく「あの俳優は昔は良かった」、「お母さんの学生の頃はもっと良かった」「今のデザインよりも昔のデザインの方が良い」など、「昔は良かったな」というような声を聞きます。もしかしたら、本当に昔の方が良かったのかも知れませんが、これらも単純接触効果に関係があるのでしょうか。気になりました。
A. まず,「最近」に限ったことではありません。昔を懐かしむ傾向はそれこそ紀元前からあるそうです。「ノスタルジー」は,「ポジティブな記憶が思い出されやすい(=自己にとって都合がよい)」,「慣れ親しんだものを思い出しやすい(利用可能性バイアス)」など様々な効果が重なって引き起こされると考えられます。単純接触効果によって特定のものを好きになっているという側面はあるかもしれませんが,単純接触効果よりは「記憶をどう利用するか」という問題が大きいでしょう。基本的に,「思い出を美しいものとして保持したい」というのはあるようです。反対に,認知的に処理の難しいトラウマ(心的外傷)は,「強いネガティブな記憶」として本人を苦しめてしまいます。


第11回:いい人?悪い人?:社会心理学


第12回:なんだかイヤな気持ち:ストレスと心の病気

Q. ストレスが溜まると白髪が増えると聞きますが事実ですか?
A. 事実です。老化だけでなくストレスも白髪の原因になります。


第13回:発達の偏りと多様性:発達障害


第14回:心の問題へのアプローチ:アセスメントと支援

Q. 自傷や問題行動が注意を引くなどの意味はどうやって探るのですか?
A. 本人が意識している/していないに関わらず,自傷行為や問題行動には「他者の注意を引きつける機能」が備わっているということです。


【その他】
コロナウイルス感染症に関わる心理的問題については次のウェブサイトを参照してください。
参考URL:https://psych.or.jp/special/covid19/